Data Analysis

データ分析について語ります。

製造工程のDX 単なるデジタル化で終わってませんよね?

製造業や製造工程におけるDXを再考してみます。

日本では、特に製造業では、いまだに根強く単にデジタル化(電子化)しただけで、DXしてる、と喜んでいる人々のなんと多いことか…。困ったものです。

DXとは

最近よう聞きますね、DX。
デジタルトランスフォーメーション(En: Digital Transformation)のことです。

?かもですね。日本語だと「デジタル変革」なんて言われます。かつ、ビジネス領域に限った言葉でもなく、デジタル技術を社会に浸透させ人々の生活をより良いものへ変革すること、とかも指します。立派なバズワード(定義や意味が曖昧で分かり難く、もったいぶった専門用語/宣伝文句/キャッチフレーズ/キーワードのこと)ではないかと思います。

DXは2004年にスウェーデンウメオ大学エリック・ストルターマン教授が提唱、当初は「進化し続けるテクノロジが人々の生活を豊かにしていく」というものでした。それが今は、DXが及ぼすのは単なる「変革」ではなく、デジタル技術による破壊的な変革を意味する「デジタル・ディスラプション」、すなわち、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーション(技術革新:新機軸・新活用もしくは革新的技術やサービスなどを創造する行為)がもたらすものと、考えられてもいます。

ディスラプション、破壊的イノベーション

また、出てきましたね。ディスラプション(En: Disruption)とは、破裂や崩壊を意味する言葉です。技術などと組み合わせて、破壊的イノベーション、既存のものを破壊するようなイノベーションのことを指します。またそのような技術や発案者、新規参入者をディスラプタ(En: Disruptor)と呼び、破壊神的な意味合いで捉えます。

更に迷宮入りかもしれませんね。このディスラプティブイノベーション(En: disruptive innovation)というのは皆さんが結構体験しています。今は
・音楽はストリーミング、ちょっと昔はCD、Z世代はカセットテープは未知の技術
・"チャンネルはそのままで"という前提は、"回さないでね"、と言ってたのと同じ
・"VTRスタート"はビデオテープレコーダ。VHSとかβなんて、z世代は知りません
・ブラウン管テレビ、絶滅危惧壽ですね。今は、まず液晶テレビですね
白熱電球、まだあるか…。国内製造はだいぶ前に終わってます。LED電球が主流
・信号機、10年前は電球でした。あっという間に薄型のLEDの薄型信号機しか見ない
・車、ガソリンがまだ主ですが数年で電気自動車しかなくなる⁉内燃機関→モータ!
・紙に印刷?、PDF/SNSでシェアじゃなくて?
・恋文は便箋で、SNS世代からは意味不明かも、紙に書くという行為
・なんか食べたい、出前、岡持ち、ってなに?、Uber Eatsでしょ
こういうのは全部ディスラプティブイノベーションです(若い人はなんだか分からないでしょうから適宜調べるか親にでも聞いてください)。どんどん切り替わっているものもありますね、例えば印刷は、手書き→青焼き(若い世代知らんやろーな)→コピー機→プリンタ→電子ファイルの共有(印刷という行為がなくなった)、という感じ。
この中で、半分ほどはハードウェアのディスラプティブイノベーションですが、デジタル技術によるディスラプティブイノベーションも含まれていますね。

製造工程におけるDX これまでの業務を超える世界へ

重ねて、になりますが、DXという言葉には、デジタル技術によるドラスティック(抜本的)な変革というニュアンスが込められています。
手入力していたところをExcelで電子化しました、は確かにデジタル化ではあります。今ある業務をデジタル技術を用いて主に自動化していく、という流れで特に中小ではなくはないです。が、それだけではまずDXといえないかと…。

DX = デジタイゼーション(En: Digitization)+デジタライゼーション(En: Digitalization)

と意味付けられています。

デジタイゼーション:プロセスへのデジタル技術導入により、効率化・自動化を図る
デジタライゼーション:プロセス自体を革新。自社および外部の環境やビジネスモデル・戦略面も含めた取り組み

すなわち、今の業務のデジタルへの置き換えだけではせいぜい半分で、これまでの働き方をも変える手法がDXといえます。これまでやってきた作業の自動化だけでは、真のDXの恩恵は得られません。デジタル技術を用いてどう変革に結び付けるか、が肝です。

日本ではまだタクシー会社がありますね。日本の法律に縛られて(既得権益が守られて)、Uberが参入しづらかったからです。海外に行くと、国によってはほぼほぼタクシー拾わないですね。Uberで事足りますし、とにかく早く来てくれ、遠回りもせず、明朗会計。少なくとも海外ではタクシーというものが駆逐された国がある、ということです。まさにディスラプタ。日本でも、もうCD買っている人ほぼいないのではと思います。本だって書店で買うこと、ものすごく減りましたね。

製造業では、この流れ、必ずしもまだ決定的ではないです。ただ、そのうち、必ずDXの洗礼を受けます。特にEUをはじめ海外勢は進んでいます。日本が取り残されないように、進んでいきたいところですね。